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短編小説の集い「のべらっくす」

こちらでの募集は休止になりました。今までありがとうございました。

【特別企画】「なつやすみの宿題 57577」 総評と短評

 なつやすみが終わった後に周回遅れで提出するレポート、できました。

 

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【総評】

〇思いつきで始めた「なつやすみ短歌」だったけれど、みなさん楽しんでもらえたようで何よりです。 またお休みの時期に短歌遊びを開催しようと思います。

 

〇テーマ「夏」ということで非常にざっくりとしたものだったのですが、きちんと夏っぽくなっていてよかったです。

 

〇なんとなく「短歌」を詠むような方のブログタイトルも詩的なものが多いなぁと今回思いました。短い言葉に命を吹き込むことが好きな方々だからこそ出るタイトルも、ひとつの作品であると考えました。

 

〇今回は「短評」という形で感想を書いていきます。 短い言葉なので、短い評を書こうというだけです。特に他意はありません。では、またの機会がありましたらよろしくお願いします。

 

【短評】

ひぐらしの声聞き指を数え折る
君に会えない休みの終わり

短編小説の集い「のべらっくす」特別企画【なつやすみの宿題 57577】参加作品 - 片道書簡→

 夏が終わることを悲しむのではなく「指折り」楽しみにしているギャップがより会いたさを強調させている。「ひぐらし」が夏の終わりのアクセントになっていて良い。

 

一度だけ蝉の羽化を見た夜のポラロイド写真どこにやったの?

「なつやすみの宿題 57577」 提出します - 緋綸子の雑記帳

  「一度だけ」と強調した過去にポラロイド写真という言葉の古臭さが相まって遠い夏の日を思い起こしてくれる。写真に詠み手が写っているかいないかで解釈が分かれそうで面白い。

 

「海みたい」気づけば波の音がして齧れずにいるアイスキャンディー

未成年短歌六首【なつやすみの宿題57577参加作】 - nerumae

 海に行きたくてもおそらく行けない気持ちをたまたま持っているアイスキャンディーにぶつけている。何を見ても関連付けてしまうのは恋にも似ている。

 

蝉たちも鳴きやむほどに暑い午後 ぼやけた味のスイカをかじる

なつやすみの宿題57577、提出します - さらさら録

 「ぼやけた味」が良い。暑くてスイカがぼやけているのか、それとも詠み手の舌がぼやけているのか。スイカはもともとはっきりしない味のような気もする。 

 

約束の時刻過ぎても黄昏はまだ 顔(かんばせ)を奪う気のなく

「なつやすみの宿題57577」 - そこ、hyphen

 日が長い夏の夕暮れならではの情景が良い。子供の遊びなのか恋人同士なのか、詠み手がどんな状況で相手の「顔」を見ようとしているのかを考えるのが楽しい。

 

 遅残暑

 日盛りを避け

 くつろげば

 楠(くす)揺らす風

 孕む暑気消す

創作! 「はてなブログフォトコンテスト」と「短編小説の集い宿題」短歌! - 明日は明日の風が吹く

 非常に写実的で、晴れた夏の日の風景が素直に目に浮かぶ。「暑」の字が2度出てきているので意図的でないのであれば違う言葉を探すと情景らしくなる。

 

手の平の中で踊れ よんよんと上下に回る水の惑星

夏祭り七首 ~57577~ - さよならドルバッキー

 自選するならということで一首。地球を手の平で操るのはチャップリンの時代からの憧れ。

 

いつかまた思い出す日が来るといいそこにわたしはいなくてもいい

夏時間 - ほしいぬ

 これは「春休み」や「冬休み」では同じような情景は出なくて「夏休み」という特殊な時間をかなり象徴的に詠みこんでいる。今回の全ての作品のなかで主催者は一番好き。

 

ほしかったものはいつかのすこしさき影がのびたらむかえにきてね

なつやすみの宿題 57577~短歌を詠みます - きまやのきまま屋

 「ほしかった(過去)」とあるが「すこしさき(未来)」を求めているところに時空の歪みとその間にある葛藤を感じる。「影がのびたらむかえにきてね」と夏の終わりを暗示することで成長しなければならない郷愁もある。

 

さっきからきみの頭の上にある柄杓がなにか零しています

なつやすみの宿題 投稿します - ビフウ-ウンテン

 定型のはずなのに、一瞬歌に見えないほど自然な言葉の並びをしている。零しているのが「なみだ」ではなく「なにか」と対象をぼかすことで様々な詠み方が出来るように詠まれている。