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短編小説の集い「のべらっくす」

月1で出題されるお題に沿って短編小説を書く企画です。

【第17回】短編小説の集い 総評

総評

 お待たせしました、今月の総評です。

 

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〇今月のお題は「月」ということで、参加された4名の方々の様々なイマジネーションを感じることが出来ました。比較的内容がばらけたので、「月」という言葉はいろんな捉え方ができるのがよくわかりました。そんな各方面からの言葉の妙を楽しむのも、この企画の醍醐味ですので他の人の作品も是非読んでください。

 

〇テクニック的な面でいえば、やはり考えながら継続して文章を書いている人は上達していきます。この場合の上達というのは「読み易い文章」というより「その人らしい文章」と言った方がふさわしいかもしれません。何にしろ書きはじめは一番大変で、この場面では情景を優先させるか感情を優先させるかという選択や書きやすい主人公のタイプなど自分の中でのお約束がある程度固まるまでが大変です。大体はそこに至るまで飽きてしまうか嫌になってしまうのですが、そこを乗り越えるとやっぱり楽しいですね。継続してほしいと言うのはそういうところからです。

 

〇一応「月」から連想されることを列挙しておきます。まずはかぐや姫をはじめとした異星人や異世界。特に冥界として描かれることもあります。それからギリシャ神話をはじめ、太陽は男性で月は女性という考え方があります。更に女性は月経のため月に一度機嫌が悪くなる、というのや月経や出産は月の満ち欠けが関係していると考えていたこともあります。更に西洋では月の光は良くないものとされ、月光を浴びすぎると気が狂うと言うところから「lunatic(気が狂った)」という言葉もあります。精神病院を表す「lunatic asylum」という言葉も直訳すれば「狂人の亡命」です。こういう言語の比較って面白くて好きです。

 

〇そして申し訳ないのですが、諸事情により今月と来月は主催者の宣伝をお休みします。企画は来月も行うので、心配しないでください。来月は2月で募集期間が短いので注意してください。

 

〇それではまた、来月のお題でお会いしましょう。

 

【主催者の感想】

iyasaretaiazinori.hatenablog.com

 

 はじめましてこんにちは。月からやってきた少年に夢を思い出せてもらう話ですね。余所の星からやってきた少年が地球であった大人に絵を描くことをせがむと言えば、かの有名な『星の王子様』の冒頭ですね。シンプルに「子供のころの夢を思い出す」という筋書きはわかりやすく、読んでいて安心感がありました。最後の素直になるところでまだ少し恥じらいのようなものを感じたので、もっとクサい台詞があってもいいかなぁと思いました。もっと大胆になって大丈夫ですよ。

 

2/8 追加

diary.sweetberry.jp

 

 街をうろつく「狂犬」と、その正体の話ですね。お月様と言えば一番馴染みのある妖怪ということで楽しく読みました。テーマと途中からの流れで「いつアレが出てくるのか」とわくわくしましたが、結構予想外のところからやってきたところが面白かったです。情景描写や心情の変化も自然と文章に組み込まれていて「自分の文体はこんな感じ」というのを掴んで書いたような感じを受けました。そしてもっと「狂気」を出してもよかったのでは、と思いました。「少し他人にひかれるかなぁ」と思ったものって案外セーブしてしまっていて外から見ると大人しい感じに見えます。その辺のリミッターをもう少し外してみても大丈夫だと思いました。

 

2/14 追加

masarin-m.hatenablog.com

 

 洋館に忍び込んだ女の子たちのお話ですね。まさりんさんの女子中学生と言うことでわくわくしながら読みました。以前指摘したことを忠実に考えながらお話を考えられているようで、頭が下がる思いです。まず今回は舞台が一か所と限定されていて、また登場人物も限られていることで場面が読み易かったと思います。シンイチの説明も丁寧に行われていて、初めて読む人にもわかりやすかったと思います。ここからは私が中学生を書くときに気を付けていることなのですが、特に一人称の場合彼らの世界と言うのはおそろしく狭いので、一般論や難しい言葉はなるべく避けるようにしています。そこで難しいのが、ただ簡単な言葉を使えば中学生かというとそうではないところです。できれば即物的に、目の前のことだけを考えている風が出てくるとグッと「大人びたガキっぽく」なります。いっそ小学生の一人称などやってみると面白いかもしれません。

 

※以降、振り返りや感想記事を確認次第追加していきます。