短編小説の集い「のべらっくす」

こちらでの募集は休止になりました。今までありがとうございました。

【夏休み特別企画】納涼フェスティバル とりまとめ

 遅くなってしまいましたが納涼フェスティバルのとりまとめです。今回は怪談と言うテーマのためあんまり深く解説を入れると非常に興ざめすることがあるので軽めの感想で行きます。

 

f:id:zeromoon0:20150717140723p:plain

 

aoi-tomoyuki.hatenablog.com

 

 トップバッターの青井さんの三作品の第一弾。人形モノと言う定番のギミックを用いながら、無難な着地を見せないところに安定感があります。本当に怖いのは人形ではなく、これを淡々と受け止める語り手、というのは野暮ですかね。

 

aoi-tomoyuki.hatenablog.com

 

 二作目もシミというよくある題材ですが、最後の突き放しが不気味でいい味出しています。シミ単体の恐ろしい話というだけではなく、結局女性が何者かというところを語っていないところが読者を混乱させるところが怪談らしくていいです。

 

aoi-tomoyuki.hatenablog.com

 

 三作目は趣を変えて未来を語る老人の話ですね。この手の老人は「この電車に乗っちゃダメ」とか言ってその電車が大事故に巻き込まれる系の話で登場するのですが、この老人はその能力を楽しんで使っているようですね。語り手に姿を見せたのは、やはり語り手の縁者か何かだったのでしょうか。

 

nerumae.hateblo.jp

 

 この「親切だと思った亡者が実は」系の話はどんでん返しとして使いやすく、それでいてなかなかゾッとさせてくれますね。類話として「死ねばよかったのに」*1という呼び名で有名な都市伝説があります。どこの世も怖いのは人間の心です。

 

tokimaki.hatenablog.com

 

 ピンクの象と言えば『ダンボ』の有名なトリップシーンなのですが、そのダンボの華やかさを取り除いて陰湿な面だけ持ってきたような作品です。最後に語り手が消失するオチもいいですね。

 

novels.hatenadiary.com

 

 絶望をメインにした官能的世界ですね。モチーフは言わずと知れた「ダルマ女」*2でしょう。雰囲気は『ホステル』という悪趣味で有名な映画があるのですが、そんな感じでしょうか。もっと狂っていいんですよ。

 

novels.hatenadiary.com

 

 心霊現象の殺人事件と見ると恐ろしいねで終わりなのですが、理性的な解釈が望まれそうなお話なので、これは実は最初から統合失調症の末の妄想なんですよっていうほうが面白いかなと思いました。

 

hjsmh.hateblo.jp

 

 タイトル通りに下の世界の妖怪ですね。実際そういう世界ほど不可解な話はたくさん転がっているそうで、そういう妖怪がいてもおかしくないと思います。あと「亡者が自分を殺した生者を探して回っている」というモチーフも含まれていていいと思います。

 

hayami-toyuki.hatenablog.com

 

 明るい話を見せかけて実は、という系統の話の進め方ですね。この手の怪談は明るいモチーフで隠すことで読者をドキリとさせると思うのです。どちらかというと怪文書に近いものに分類されるかもしれません。

 

masarin-shizaiokiba.hatenablog.com

 

 「猫を殺す」というモチーフは古今東西大人気のテーマです。何故か犬ではないんですよね。ポーの『黒猫』をはじめ、猫は祟るんですよ。祟る猫も怖いのですが、やはり一番怖いのは猫を殺してしまうまで行き着く人間ですよね。浮き上がってくるような文章が更に怖い。

 

nogreenplace.hateblo.jp

 

 一応自作振り返りです。「カシマさん」「ひきこさん」みたいなメジャーな妖怪に憧れて作った妖怪です。響きがかわいいですよね、カッティさん。

 

nogreenplace.hateblo.jp

 

 よくある「存在しない応答者」系の肝試しパターンの亜種です。この「存在しない応答者」系の話が大好きで、この話のオチにしびれてこの世界に入っていったところもあります。話は複合型で、洒落怖形式で進むので他のホラー小説とは違った読み味になっていると思います。

 

 

 

 さて、気が付けば夏が終わって一気に秋モードに入っているのですが例年通りだとまだまだ残暑の厳しい季節です。秋の夜長に怖い話で盛り上がるのもまた一興ですね。夏だからこそ「納涼」の名目で怖い話をしているのであって、怪談好きには季節は関係ないのです。むしろ冬の怪談は冬の怪談で大好きです。

 

 今回は特別企画と言うことで少し難しいテーマでしたが、たくさんの応募ありがとうございました。まだ来年も懲りずに「のべらっくす」をやっていれば同じ催しをしようと考えていますので、その際は是非よろしくお願いいたします。それでは作者のみなさん、おつかれさまでした。また次の企画でお会いしましょう。